第7期代表幹事あいさつ
post on : 2025.05.09
第7期幹事会よりごあいさつ
みなさん、こんにちは。2024年9月より2026年秋までカルチュラル・スタディーズ学会(ACT)の第7期の代表幹事を務めることになりました、田中東子と申します。
現在ではカルチュラル・スタディーズ学会の年次大会として定着しているカルチュラル・タイフーンですが、最初から学会だったのではなく、誕生した2003年には有志が集まり運営するお祭りのようなイベントでした。新自由主義経済による大学への侵襲に抗うため、国内だけでなく、東アジアや環太平洋の国や地域のカルチュラル・スタディーズの研究者や院生、アーティストやアクティビストが集まり、より自由で、より平等で、より公平な世界を目指す言葉や行動、表現活動やネットワークの形成に可能性を見出すために、2日の期間中に多くの人たちが集い、語り合いました。
それから10年余りが過ぎた2012年、有志の集まりによって運営されていたカルチュラル・タイフーンは、より安定した運営基盤を求めて学術学会の体裁を取りながら続いていくという道を選択することになりました。学会化に伴い、新たな会則を作り、学会誌を定期的に発行し、会員を募る形でこの集まりは今日まで続いています。
日本のカルチュラル・スタディーズは今年で導入から30年が経ち、世代交代が進みつつあります。この間、学会メンバーも徐々に入れ代わり、学会化以前のカルチュラル・タイフーンを知らないという方も増えています。そこで、私たち第7期の幹事会メンバーは、東アジアを中心とした新しい世代のネットワークを築きなおすために、2025年11月8日・9日に台湾・国立高雄大学にて「カルチュラル・タイフーン高雄(Cultural Typhoon Kaohsiung 2025)」を開催することにしました。今回のテーマは「交叉颱風Typhoons Entwined: Crosswinds, Currents, Converge!」です。
(大会の詳細につきましては、以下のウェブサイトにてご案内しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。▼実行委員長の黄柏瀧さんの熱い大会マニフェストはこちらから読めます:https://cultural-typhoon.com/2025/04/culturaltyphoon2025manifest/
▼大会CFPはこちらでご確認を:https://cultural-typhoon.com/2025/04/cfpct2025/)
私たちはこの大会を、カルチュラル・スタディーズにおける新世代の地域横断的な知的ネットワークの再構築、知と実践の裂け目に耳を傾けること、そして多様性と分断の問題を再考する絶好の機会にしたいと考えております。国際的なネットワークの再構築は第6期の幹事会が掲げていた目標でもあり、各国・各地域で排外主義や極右的な思想が広がる現在、そうした潮流に対抗していくために、喫緊の課題になっていると思われます。
分断するのは実に容易く、連帯と協調を創り上げる道のりは非常に困難で忍耐と粘り強さが必要とされます。けれども、私たちは、連帯と協調に向けた困難や忍耐、粘り強い取り組みの中でこそ、楽しさや喜びにたどり着けることを知っています。私たちはつねに、そのことを知っている人々の集まりでありたいと、心から願っております。絶望にばかり直面する時代ではありますが、まずは残りの1年半、楽しく協働していきましょう!
2025年5月吉日
カルチュラル・スタディーズ学会 代表幹事 田中東子
他 第7期 幹事一同(▼第7期メンバー:https://cultural-typhoon.com/secretary/)