Top > 開催概要 > 開催趣旨

開催趣旨

  • 2010/06/23 14:54

映像で結ぶ公共圏とアジア

カルチュラル・タイフーンは、2010年で8回目を迎えることになりました。今年の大会は、2010年7月2日から7月4日まで駒澤大学深沢キャンパスで開催されます。


カルチュラル・タイフーン(文化台風)とは、2002年の準備会議の際に本当に台風が襲来したエピソードにちなんで命名されたのですが、その志は、自分たちが文化研究の学問的ルーティンワークのなかに萎縮してしまう傾向に注意深くありたい、そしてある種の知的台風として、思想的な異議申し立てという風雨をもたらす存在でありたいというところにあります。


実際にわたしたちは、2003年の早稲田大学で開催された第1回大会からはじまって、2004年沖縄の琉球大学での第2回大会、2005年の立命館大学の第3回大会、2006年には大学という場を飛び出した下北沢での第4回大会、2007年にはトヨティズム批判を掲げた名古屋での第5回大会、そして2008年の仙台メディアテークでの第6回大会、さらに昨年〈Inter-Asia Cultural Studies Association〉と連携して行われた東京外国語大学での第7回大会と、多様な文化現象を対象とした研究活動や文化実践の担い手たちが集まる場をそのつど作りあげ、他の学会にはないさまざまな空間を開示してきました。


カルチュラル・タイフーンにおいては、これまでの7回の大会を通じて、既存のアカデミズムに留まらない独特の空間を創出してきました。その特徴としては、

・さまざまな立場に立つ人々が個別のイシューを持ち寄り対話することを通じて、それぞれのシーンにおける問題に取り組むための新たな協働の可能性を開いてきたこと
・文化と政治の問題に取り組む研究者だけでなく、アーティストやアクティヴィストやパフォーマーなどが数多く参加してきたこと
・海外から、とりわけアジア圏からの参加者が多く、国内外の研究者や文化の実践者たちによる重要な交流の場となっていること
・日本語での発表だけでなく、英語・朝鮮語・中国語などによるパネル発表がたくさんあること
・大会ごとに個別のイシューをスローガンとして掲げ、文化と政治にまつわる固有の問題に取り組んできたこと
・教員と、院生や学部生との間にある権威的階層関係の打破を目的とし、若手研究者や院生・学部生が自由に意見を表明する空間を作り出してきたということ

などが挙げられます。


さて、カルチュラル・タイフーン2010は、戦後の経済成長のモニュメントである駒沢オリンピック公園の脇にある駒澤大学・深沢キャンパスがメイン会場になります。メーンテーマである「映像で結ぶ公共圏とアジア」を掲げて、7月2日から4日までの三日間行われます。ここで言う「映像」とは、「映画」のみを指すのではなく、新たな映像表現の場であると同時に、「映像(screen)」によって構成されているといっても過言ではない、現代アジアの社会文化状況を分析する議論の場のことです。


深沢キャンパスでは、消費文化の象徴ともいえる旧三越迎賓館シルバーパビリオンを舞台に、研究発表やパフォーマンスやブース展示などを行います。2010年は、近代のアジア-日本関係を歴史的に決定した年である1910年の日韓併合から100年目にあたります。この時この場所にアジア各地から先端的な映像文化(screen culture)の実践者と研究者が集い、学術的に歴史を再検証し、異なる場所や文化を芸術的に結ぶ空間の創出を目的とします。わたしたちはここで改めて歴史について再検証し、今後のアジアと日本との新しい関係について模索していくことになります。


さらに、近年、公共圏の切り詰めの象徴として、都市空間でもっとも開かれた場所である「公園」から多様な人々が排除されつつあるという出来事が各地で起きています。カルチュラル・タイフーン2010では、駒沢オリンピック公園に隣接しているという空間的条件を生かして、こうした問題に取り組むような映像・パネル・ブース・パフォーマンスの応募を期待しています。わたしたちは今大会を、「映像(screen)」を使いこなし、新たな公共圏を創出するための実践的な活動や実証的な研究を育む場にしていきたいと考えています。

ホーム > 開催概要 > 開催趣旨

Notes
Share |

ページの上部に戻る