7月14日(日) 10:30 – 12:30

3.11「あの日」からの物語文化――「故郷/記憶/風景/表現」をめぐる対話

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
101
使用言語
日本語

オーガナイザー

杉田 このみ(一橋大学・情報基盤センター・助手/映像作家)

パネリスト

杉田 このみ(一橋大学・情報基盤センター・助手/映像作家)
志賀 泉(福島県南相馬市出身 小説家/『指の音楽』で太宰治賞受賞(2004)、近作『フクシマ漂流』)
山梨 牧子(宝塚歴史文化研究者 ヘムスロイド・ハウス)
中垣 恒太郎(大東文化大学)

 「3・11」は日本のみならず世界史的なレベルにおいても、文明のあり方を見直し未来を変えていく、またとない機会でした。しかし野田佳彦前総理が「原発事故の終息宣言」をして以降、人々は急速に関心を失い、3・11以前の生活意識に戻っているのが実情ではないでしょうか。原発の再稼働問題ひとつとっても、電気料金値上げという現実問題を前に、再稼働やむなしの風潮は次第に醸成されつつありますし、安全性論争の影で、最も厄介な核のゴミ問題は棚上げのまま、未来へと先送りされていくのではないかと懸念されます。原発事故によって炙り出された日本の体質のひとつが、「地方が都市(国家)の犠牲になる」という構図です。これは古くて新しい問題です。沖縄の基地問題や水俣病などの公害問題も根っこは同じです。地方がそれ自体としては独立できず、基地や大工場、原発などに依存しなくては成り立たない構造を作り上げてきたのが日本の近代ではありませんか。ですから、原発事故を機に日本を変えていくのならば、地方が地方として独立し、住民が誇りを持てるような土地を作っていくことを出発点とすべきです。そしてそれは、微力な個人でも発想次第で始められることなのです。
 本パネルでは、「物語文化」(小説/映像/演劇)による「故郷」の見直しをテーマとして、福島県南相馬市出身の小説家(志賀)、地方を舞台に作品制作を続けている映像作家(杉田)、独自の文化イベント活動を展開中の国際的な宝塚/演劇研究者(山梨)、比較文化研究(中垣)の立場から、「故郷/記憶/風景/表現」をキーワードにディスカッションを展開します。

テーマ:移動・移民

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
103
使用言語
English

オーガナイザー

朴 正埈(ソウル大学比較文学協同過程博士課程)

パネリスト

移動の物語から考える――<あいだ>の行為主体

沈 正明(大阪大学文学研究科博士後期課程)

From Reconciliation to Appropriation: Chūgoku Zanryū Nihonjin

Amanda Weiss (The University of Tokyo)

テーマ:理論

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
105
使用言語
English

司会

SUZUKI Shinichiro (Kwansei Gakuin University)

パネリスト

Democracy under siege? Systemic view of tele-mediated democracy in the case of Taiwan’s political discussion programs

Shih-che Tang (Department of Communication, National Chung Cheng University)

Post-capitalist subjectivity: theorizing beyond Uno Tsunehiro and Azuma Hiroki

Dr Christopher Howard (Chongqing University, China)

テーマ:記憶

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
203
使用言語
日本語、Chinese

オーガナイザー

唐川 恵美子(東京外国語大学)

パネリスト

暴力を共同想起=記念する政治

唐川 恵美子(東京外国語大学)
北田 依利(東京大学大学院 総合文化研究科)
包 宝海(東京外国語大学)

本多勝一と日本70年代における日中戦争言説―『中国の旅』を中心に

彭 善豪(台湾交通大学社会と文化研究学科)

テーマ:周縁

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
204
使用言語
日本語、English

オーガナイザー

大野 光明(立命館大学)

パネリスト

邂逅と衝突の場としての沖縄――国境とフェンスの越え方

中村 葉子(大阪府立大学大学院 人間社会学研究科 博士後期課程)
大野 光明(立命館大学)/ Mitsuaki ONO (Ritsumeikan University)

Cinematic Dispositif in Postwar Japan: Iwanami Productions and the Ontology of the Cinematic

角田 拓也(イェール大学大学院博士課程 東京大学大学院情報学環〔在外研修員〕)

水俣病を周縁から考える

吉田 和彦(東京外国語大学大学院総合国際学研究科)

浮き立った夢は地方化を増殖させる――戦後東アジアにおける「民族」「平和」「発展」「祖国」

日時
7月14日(日) 10:30 – 12:30
会場
302
使用言語
日本語

オーガナイザー

申 知瑛(津田塾大学・非常勤講師)

パネリスト

片岡 佑介(一橋大学大学院言語社会研究科博士課程)
番園 寛也(一橋大学大学院言語社会研究科修士課程)
佐喜真 彩(一橋大学大学院言語社会研究科修士課程)



 「復興」という語が孕む夢。それは人を「中央」へと駆り立てながら常に到達し得ない浮き立った夢である限りで、逆説的に周辺・植民地化された村に更なる地方化を増殖させてきた。本パネルでは、戦後東アジアにばら撒かれた複数の浮き立った夢を掬い取り、そこから身を剥がし別様の「村」たちを想像する試みを模索する。

 申知瑛は、間島・満洲・日本の地方に移住・徴用された朝鮮人の経験を書いた安懷南・廉想涉の小説に注目し、複数に地方化された植民地人を移動させた「民族」への浮き立った夢の意味を、他地方民との関係性で問う。

 片岡佑介は、日教組製作の映画『ひろしま』(1953)を題材に、戦前から社会の指導的役割を担ってきた教育者の自己像の変容を映画の音声分析から考察し、「唯一の被爆国」の象徴としての「平和都市・広島」の「復興」との連関を問う。

 番園寛也は、水俣病事件と朝鮮における植民地支配の連続性に焦点を当て、「発展」の名の下に引き起こされるチッソと国家による生の不安定性の不均衡な分配の様相を岡本達明・松崎次夫『聞書水俣民衆史』と石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』から考察する。

 佐喜真彩は、沖縄の戦後詩人•清田政信が「祖国」として人々に求められる共同体とは異なる「共感域」に固執しながら、「村」という言葉の意味を書き換えていく試みに着眼し、沖縄内部に留まらない「村々」と繋がる可能性を模索する。