リージョナルな思考を越える


  日時:7月23日(土) 15:30-17:00 場所:メインホール
メインパネル2:リージョナルな思考を越える
大災害が起こると、“きずな”や“つながり”の大切さが、あらためて強調される。そんな中、音楽のサブカルチャーについて込み入った話をすることは、趣味や文化の違いをいたずらに強調して無用な分断を生み出すなどと思われて、疎んじられがちだ。でもちょっと待て。地理的あるいは心理的な意味での「遠くの他者」は、その音的痕跡を、そこかしこに残している。そうした痕跡は、「われわれ」の国民的・地域的同一性を揺さぶり続ける。ナショナリズムでもリージョナリズムでもなく、一足飛びにコスモポリタンになるのでもない、敢えてややこしい話を、音楽をネタにかましてみよう。
パネリスト1:東 琢磨 (音楽評論家)
ホットスポットを夢想する
 ニューヨークの「ラテン・ソウル」をアフロ・フィリピーノが牽引し、メキシコのパスポートで広島に滞在するエルサルバドル人が極東と中米をつなぐ。各都市のタクシーはさまざまなエスニシティがあるじである動く島でもある。放射能汚染、生物の希少性/多様性、無線LANの電波状態などを指す言葉などとして使われる「ホットスポット」は、極小な空間あるいは非空間から、ある程度の大きさの地域までを指す、まだらに入り組む飛地状の文化地理・生態学としても思考されるだろう。没場所性などと割り切ってしまうだけではなく、たとえば、国道沿いの光景などにどのようなホットスポットを見出しうるのかも、私たちは思考すべきかもしれない。たとえ、そこでまだ<うた>や<音楽>がたちあがっていなくとも。
パネリスト2:ファノン・チェ・ウィルキンス (同志社大学)
境界線の無い歴史:黒人系アメリカ人、ディアスポラ、そして、アフリカ探求
 アフリカ系ディアスポラを、世界のアフリカ出自の人々の分散や移動や生活の変化に関する理論や方法論の枠組として考察する研究が、ここ15年間に盛り返している。本論考が考察するのは、オウス・サドゥアキ(別名ハワード・フラー、ノースカロライナ州ダーラムのマルコムX自由大学を設け、アフリカ解放記念日を主に組織した)が1971年にモザンビーク解放戦線の闘士らと特に計画も無しに行なった、「解放後」のモザンビーク内の旅の社会‐歴史的意義であり、彼の体験が、1972年のアフリカ解放記念日をめぐるアメリカ合州国内での展開の中心にあった組織とイデオロギー上の論争を、決定的に形作ったさまである。本論考は旅行日誌や新聞やインタヴューの精読からこう主張したい。サドゥアキは、「解放」がいかに達成されるか、合州国でそのプロセスを助けるにはアフリカ出自の人々が実際どう貢献しうるか、新たな視野をもってモザンビークから現れたのだと。ディアスポラを、従来の国民国家を越えて広がる歴史を叙述する、また、時間や空間の共通軸の周りに展開するローカルでグローバルな活動について問いを掲げる、理論的モデルにする際、サドゥアキの体験は新しい刺激を提供する。
コメンテーター:鈴木 慎一郎 (関西学院大学)
司会:崎山 政毅 (立命館大学)


  日時:7月23日(土) 10:30-12:00   場所:パネルルーム1
On Non-Regional Literary Imagination
パネリスト1
〈日本語 / 英語〉
Dialogue between Blacks and Jews after the Holocaust : Caryl Phillips’s Higher Ground and The Nature of Blood.
Jun Sunose (Hitotsubashi University)
パネリスト2
〈英語〉
The Bandung Conference and Literary Imagination in Decolonizing Era: Richard Wright and George Lamming
Yutaka Yoshida (Hitotsubashi University)
パネリスト3
〈英語〉
Fantasy Island: Oceanic Imaginings in Paul Yoon's "Once the Shore"
John R. Eperjesi (Kyung Hee University)
司会:鈴木 慎一郎(関西学院大学)


  日時:7月23日(土) 17:30-19:00   場所:パネルルーム3
Transnational Commodity Circulation and Its Cultural Implication
パネリスト1
〈英語〉
Beyond Regional Thinking, Beyond the Book: Book Event, City Agenda, Cultural Diversity and Networks
Chia-Sui, Crystal, Sun (National Dong Hwa University)
パネリスト2
〈英語〉
Wandering Dolls: Cosplay Journey across East Asia
Katrien Jacobs (Chinese University of Hong Kong)
パネリスト3
〈英語〉
How's Been Risk Discourse Constructed across the Nations?: A Case of Anti-US Meat Imports in South Korea
Kyung Han You (The Pennsylvania State University)
司会:岩渕 功一(早稲田大学)


  日時:7月24日(日) 10:30-12:00   場所:パネルルーム4
「ルートワーク」としてのサッカー
パネリスト1
〈日本語〉
「ルートワーク」としてのサッカー:外国人Jリーガーたちは、どこから来て、どこへ向かうのか?
山本 敦久 (筑波大学)
パネリスト2
〈英語〉
J League as a Contact Zone: Japanese Football beyond National Lens
Tomohiro Fujita (Osaka University)
ゲスト・コメンテーター:松原 ネルソン 勝 (神戸スポーツアカデミー)
ディスカッション・コーディネーター:小笠原 博毅 (神戸大学)
司会:藤墳 智史 (編集者)


  日時:7月24日(日) 13:30-15:00   場所:パネルルーム2
故郷喪失者とその詩学についての省察
パネリスト1
〈日本語〉
「冒険心」の誕生:児童文学としての『宝島』考察
鋤柄 史子 (神戸大学)
パネリスト2
〈日本語〉
遊動する国境:亡命詩人アンドレイ・コドレスクの神話概念について
阪本 佳郎
パネリスト3
〈英語〉
Tony Gatlif’s Cinematic Texts ? Challenging the Gypsy Image
Andreea Iulia Catinean (Kobe University)
司会:西 成彦 (立命館大学)


  日時:7月24日(日) 15:30-17:00   場所:パネルルーム1
New Intervention in the "Overcoming Modernity" Debate
パネリスト1
〈日本語 / 英語〉
How to Overcome 'Overcoming Modernity' from Below: The Revolutionary Genealogy of the 'Greater East Asia Co-prosperity Sphere' and the Historical Composition of the Atlantic-Pacific Working Class
マニュエル・ヤン (トレド大学)
パネリスト2
〈日本語 / 英語〉
共栄圏、新秩序、帝国
川村 覚文 (オーストラリア国立大学)
司会:岩崎 稔 (東京外国語大学)


  日時:7月24日(日) 15:30-17:00   場所:パネルルーム3
New (Dis)Connection in Economically Intermixed Asian Setting
パネリスト1
〈英語〉
Producing Regional Cultural Conflicts: 'Black Socks Incident' in Asian Games and the Anti-Korea Sentiment in Taiwan
Chang-de Liu (National Chengchi University)
パネリスト2
〈日本語〉
『ペンによるダーワ運動』:香港で働くインドネシア人女性家事労働者の文学創作グループ
澤井 志保 (東京外国語大学)
司会:吉見 俊哉 (東京大学)