新型インフルエンザに関するわたしたちの見解と態度

 インターエイジア・カルチュラルタイフーン2009で報告される予定のすべてみなさん!また、タイフーンに参加されるすべてのみなさん!

 豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)の感染による世界中の混乱に、はたしてカルチュラルタイフーンも巻き込まれてしまうのではないかと懸念されているかもしれません。日本では、実際に5月中旬に日本国内で感染が確認されて以来、大阪、神戸などを中心に学校が休校になり、多くの催し物が中止されていましたから、その心配は当然のことと思います。しかし、つぎのいくつかの論拠に基づき、わたしたちのタイフーンはなんの滞りもなく実施されます。当初の予定に一切変更はありません。

 第一に、今回のインフルエンザは、それ自体は通常の季節性インフルエンザとほとんど差異のない弱毒性のものです。それにも関わらず、一時的に集団ヒステリー的な反応が起こり、また日本政府の恣意的な情報操作や多くのマスメディアの過剰同化によって、必要以上に大きな騒ぎになってしまいました。しかし、政府や諸機関、諸団体の翼賛的とも言える反応が、実際に進行している事態とあまりにずれていたために、この二週間の日本国内での大混乱を経て、日本社会はようやく現実に気がつき、冷静にもどりつつあるようです。「王様は裸だ!」と気がついた状態だとでもいうべきでしょうか。各種の無意味な隔離措置や強制的休校措置は、予定を早めて解除され、あらたに催し物を中止するところもなくなりました。明らかに、これらの措置は間違った過剰反応だったのです。

 第二に、豚インフルエンザによってメキシコで多くの若者がなくなりましたが、それはかれらがすでに重篤な状態に陥ってしまってからしか病院で診察をうけられなかったからです。これは明らかに貧困や福祉不在という社会的要因によって引き起こされた悲劇でした。今回の豚インフルエンザは、グローバル化状況における感染病の短期間の拡散可能性とともに、このような医療における残酷な格差が歴然と存在するということも突きつけてきているのです。また、戦争の隠喩を使った「水際作戦」や「総力戦」という言葉が飛び交うなかでの国境管理で、人間どころかウィルスを封じ込められうるかのようなありもしない「作戦」がまことしやかに宣伝されていたのは、ゼノフォビアを助長し、政府の指示を従順に受け入れる受身の国民的主体を作り出すための演習であったと考えざるをえません。カルチュラルタイフーンに集うわたしたちにとっては、こうした事件や騒ぎもまた、「グローバルゼーションの破断点」における典型的な現象のひとつであって、わたしたちの批判的考察と分析の対象であり、わたしたち自身の実践的な課題として引き受けるべき問題であると考えています。

 第三に、すでに日本の厚生労働省自身が、豚インフルエンザの流行は鎮静化しつつあると表明しています。マスクの投機的な買占め騒動をのぞけば、この問題は終わりつつあると見てかまいません。もちろん、糖尿病、重大な呼吸器疾患をもっているひとは、しかるべき用心は必要ですが、基本的には通常の生活をすることで何の問題も生じません。

 思えば、早稲田大学で第一回のカルチュラルタイフーンの折にも、結果として、ほとんどなんの問題もなく開催されたにしても、SARS(重症急性呼吸器症候群)をめぐる社会混乱がありました。その経験があったためか、実行委員会に対応をたずねる連絡や、わたしたちを気遣ってくれるメールを受け取っています。わたしたちはそうした友人たちの配慮に深く感謝するとともに、はっきりと断言します。カルチュラルタイフーン2009は、2009年7月3日から5日まで東京の東京外国語大学で予定どおり開催されます。そして、わたしたちはその地で、みなさんと熱く交流できることを楽しみにしていると。

カルチュラルタイフーン2009実行委員会

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